【プロが解説】マンションリフォーム100件以上こなした業者が語る、リフォーム前に注意すべきこと10選!

こんにちは、東京都江戸川区でリフォーム業を営んでおりますワールド設備です。

リフォームをお考えの方、今マンションと戸建てどちらにお住まいですか?
実はマンションと戸建てで、事前に考えておくことが異なります。今回はリフォーム会社の社長である私が、実際にマンションリフォームを100件以上こなして気づいた、「お客様に事前に注意して欲しいこと10選」をご紹介します。リフォームを実際に全て管理している私が書いていますので、他ブログよりも真実性が高いこと保証します。是非最後までお読みください。

1.着工には管理組合への工事申請が必要!工事許可は2~4週間必要

マンションの内装工事は、工事前に管理組合に申請しなくてはなりません。それにかかる日数は2~4週間ほど。リフォーム会社と工事の契約を結んだらすぐに着工!とはできません。
つまり、中古マンションご購入から入居までにかかる期間を長めに見積もった方が良いということです。具体例を示します。例えば、中古マンションをご購入されてフルリフォームして入居する場合、どのくらい期間がかかるかを考えてみましょう。

①工事会社選定+相見積もり 3~4週間程度
②工事許可申請+内装の詳細打合せ 2~4週間
③リフォーム工事着工~完工 8~12週間
合計 13~20週間(約3か月~5か月)

上記は例えばですので、工事のボリュームや管理組合の対応によって前後するかと思いますが、リフォーム関係には大体3~5か月はかかるということを注意しておきましょう。

2.水回り設備の位置は変えづらい!なるべく現況と近い間取りを考える

マンション内装の水回り設備の位置はかなり変えづらいです。
というのも、大元の排水位置はマンション室内で固定です。その大元の排水とお風呂やキッチンなどの水回り設備を塩ビ製の排水管で結びます。ここで問題なのが、大元の排水位置と設備が遠すぎる場合、排水管は勾配をつけて設置する必要があるので、床からかなり高い位置に排水が設置されてしまいます。

(↑大元の排水管がキッチンから近い場合 排水管が短い

(↑大元の排水管がキッチンから遠い場合 排水管が長い

(↑床の中 排水管は勾配がついて設置する必要がある。排水管が長すぎると、キッチン設備の排水が高くなってしまう。)

その飛び出た排水管を隠すために、床の高さを上げる必要があります。つまり、大元の排水位置から遠い位置に水回り設備を設置すると、水回り設備の周りの床だけ段差が生まれてしまうのです。
若い世代の方でしたら段差があっても大丈夫かと思います。ただ、お年寄りの方は段差があるだけで住み心地が悪くなりますよね。まだよちよち歩きの赤ちゃんも段差でケガをしてしまうかもしれません。なるべくなら段差がないバリアフリー構造の方が皆さん住みやすいお家になります。そのためにも、水回り設備は大元の排水位置から近い位置に設置した方がよく、それはほぼ現在の間取りと近しい位置になるはずです。
マンションの間取りを変える際は、バリアフリー構造で住みやすい家にするために、なるべく水回りの位置を変えないようにしましょう。

3.共用部分の工事は許可が必要!基本リフォーム屋は手が出しづらい

マンションには専有部分と共有部分があります。専有部分はマンションの室内の居住スペースで、共有部分はベランダ・ポーチ・通路・エレベーター・外階段などです。こういった括りはあまり覚えなくても良いです。基本リフォームにおいて必要な情報としては、外に接している面は共用部分ということです。つまり、窓やベランダの物干しなども共用部分なので、許可なしにはリフォームできません。さらに、玄関ドアの外側の面も許可なしにはリフォームできません。ちなみに、玄関ドアは中側の面だけ、許可なしに塗装OKの場合があります。許可が必要になりそうなよくある工事を下記に記します。
・ベランダに物置設置(マンション規約上、物置設置NGの場合もあります。)

・エアコンの配管カバーを設置(外壁にビス止めする場合)

・ベランダの床シートを張り替える

・窓の交換(内窓設置は許可なしでOK)

・玄関ドア交換

・コンクリート面(躯体)に穴を開ける、壊すなどの行為

4.梁・PSの位置は変えられない!間取りを考える際は梁・PSの位置も考慮する

梁とは、マンションの中で言うとこんな部分です。

天井になぜか出っ張っている部分がありますね。この部分は鉄筋とコンクリートもしくは換気ダクトなどの通り道となっています。つまり、いかにリフォームといえど動かすことはできません。
この梁が間取りに大きな影響をもたらします。例えば、「洋室の壁1面に高さ240cmの本棚を設置したいが、出っ張りが邪魔で設置できない。この出っ張りを取ってくれませんか?」といったようなご要望があります。お気づきだと思いますが、この出っ張りが梁です。勿論、お客様には「これは梁なので無くすことはできません。改めて間取りを考えてください。」とお伝えしなくてはなりません。
さらにPS(パイプスペース)も同様です。マンションの間取り図面でPSと書かれた場所があることお気づきでしょうか。こちらはパイプスペースと言って、汚水管と雑排水管がまとめられた箇所になります。

このパイプはマンションの1階から最上階まで縦で通っており、どうやっても動かすことはできません。お客様の中には、「このPSを無くして浴室を広げたい、洗面所を広げたい」とご要望される方もいらっしゃいます。ですが、PSは無くすことも移動することもできません。PSが無ければお風呂が広げられたのに・・・とかアイランドキッチンが取り付けられたのに・・・とかはマンションリフォームの日常茶飯事です。
マンションの内装を考えるにあたって、敵とっていいのが梁・PSです。中古マンションをご購入してリフォームしたり、リノベーションなどをお考えしたりしている皆様はご注意ください。

5.床材を交換するなら遮音等級L45以下を確認!

和室から洋室にしようと考えている方、マンションのフルスケルトンをご検討されている方は特にお読みください。
マンションの下階になるべく音を漏らさないよう、床材の仕様を遮音等級L45以下とすることを義務付けている管理組合は多いです。遮音等級(L値)とは、床の遮音性能を表す指標です。L値は0に近づくほど、遮音性能が高い、つまり下階に音を漏らさないことになります。さらに詳細に、L値はLH値とLL値に分かれている場合があります。難しいので、簡単にお伝えすると、LHは高い音(スプーンなどを落とした音)でLL値は鈍い音(人が歩くこと飛ぶ音)になり、LH-50以下とLL-45以下が建築業界では推奨されています。
フローリングのカタログを見るときには、マンション用床材をまず確認して、管理組合が定める基準(L45以下やLH-50以下、LL-45以下)に合った床材を選びましょう。

6.マンションの下地は強度が弱い可能性あり!重量物を固定するときは特別な下地を

築年数の浅いマンションでは、室内の構造に軽天材が使われていることが多いです。軽天材とは軽量鉄骨天井下地材の略ですが、天井だけでなく壁にも使われます。見た目はこんな感じです。

(普通の戸建や築古のマンションの構造は木材が使われていることが多いです。)
さて、軽量と書かれていることで勘の鋭い方はお気づきかもしれません。実は軽天材は、重量物を固定するほどの強度はありません。例えば、可動式の棚だったり、最近流行りのファン付きのシャンデリア照明だったり壁掛けテレビだったりは軽天材に直接取り付けるのは少し怖いです。可動式の棚であれば、取付予定の場所に木材の下地を事前に用意しておきます。ファン付きシャンデリアだったり壁掛けテレビの場合は、専用の下地を使ったり上記のように木材の下地を事前に用意しておいた方が安心です。あまり詳しくないリフォーム営業だと知らん顔で「そのままで取り付けられます!」とか言い、後ほど追加工事分として請求してくる場合もあるので注意しましょう。

7.鍵の交換はリフォーム屋でなく管理組合に相談!

マンションに新しく住み替える方によくご相談されますが、鍵の交換は基本管理組合に頼みましょう。というのも、エントランスにオートロックの自動扉が設置してある場合、玄関ドアの鍵だけ交換してしまうと、オートロックの扉にその鍵がハマりません。ですので、オートロックの扉と玄関ドアどちらにも合わせた鍵を作らなくてはならないので、鍵交換の際は管理組合に頼みましょう。オートロックの扉がない場合、玄関ドアの鍵だけ交換すればよいので、リフォーム業者に頼んでも大丈夫です。

8.エレベーターがないor狭いマンションは工事料金が高くなる場合あり!

マンションで一番ネックなのが荷物の運搬作業です。マンションの前に駐車して荷物を降ろし、長いエントランスを通り、エレベーターを乗って高層階に行き、さらにホールを通ってようやく現場にたどり着きます。これを何往復も行い、ようやく作業に入ります。戸建てなら近くに駐車してすぐに材料を届けられるので、マンションとは圧倒的な違いがあります。さらに荷物を届けるだけでなく、ごみを搬出するのにも同様に移動しなくてはなりません。軽いものだといいですが、重量物(キッチン・トイレ、石膏ボードなど)は余計気を使いますし、長いもの(木材・軽天材、巾木、カーテンレールなど)は一度に少しづつしか運べません。
このような状況下で、もしもエレベーターがなかったら、、、重量物も長いものも全て階段で運ぶことになります。材料を運ぶとかゴミ搬出とかに人手がかなり必要になることがおわかりだと思います。こういった費用は荷上げ費用や荷下ろし費用として計上されて、工事金額が高くなる傾向にあります。もし、エレベーターがないマンションにお住いの方は確認してみてください。
ちなみに、エレベーターが狭い場合も、長いもの(270cm以上)が入らない場合があります。この場合も階段で荷上げ荷下ろししなくてはなりませんので、費用がかかりますことご注意ください。

9.タンクレストイレにする場合、水圧に注意!流れが悪くなる場合あり


タンクレストイレのメリットはタンクがないのでスッキリでかっこいいですが、デメリットはタンクがないので水圧が弱いことです。最近では、水圧が低くても問題ないレベルまで性能が上がったと言われてきましたが、まだまだタンクレストイレの水圧は弱いと感じます。私はマンションの4階に住んでおり、タンクレストイレを設置していますが、なんとなく水圧が弱い気がします。まだ詰まったことはありませんが少し怖い瞬間があるので、なるべく2回に分けて流すなど行っています。
マンションすべてで水圧が弱いわけでなく1階2階は水圧がそれなりに強いと思います。最上階に貯水槽があるマンションだと最上階側の方が水圧が強かったりします。一番良いのはタンクレストイレを取り付けする前に確認してみることです。自分で手軽に確認できる手段として、お風呂のシャワーを床に置き、そのまま水を出したときシャワーヘッドが勢いで動けば水圧は強いと言えます。正確に水圧を測る手段もありますので、より厳密な方法で知りたい方はリフォーム業者に確認しましょう。もし水圧が弱い場合、タンクレストイレは流れが悪くなり詰まりやすくなりますので、ご注意ください。

10.築古マンションはアスベスト対策で費用高!築年数に注意する

2006年以前に建てられた物件であれば、アスベストを使われている可能性があります。1995年以前だと多くの建材で使用されており、1975年以前だとマンションの構造全てに使われている場合があります。そして、最近アスベスト対策をしっかりするようにと国全体の制度が整ってきており、アスベスト含有調査や工事中のアスベスト対策(防護服・マスクなどの徹底)が義務付けられてきました。体感でありますが、アスベストの有無で、解体工事やごみ処分費が2倍近く変わります。築古マンションにお住いの方、解体工事やごみ搬出で費用高くなることご注意ください。

まとめ

マンションリフォームにおいて「お客様に事前に注意して欲しいこと10選」をご紹介しました。あまり他ブログでは書かれていない生々しい情報ばかりを取り上げましたので、費用や間取り検討をする上でかなり有益な情報だと思います。もし、現在マンションを購入しようか検討されている方もこちらをお読みいただけると、さらに間違いない物件に出会えると思います。

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